見積システムとは

見積システムとは

見積業務と言えば、Excelやそれに類似したアプリケーションで作成するのが一般的です。営業個々人がノウハウを持ち、過去に提出した見積内容を参考にしながら見積を作成するには、やはり自由度の高いExcelが営業に好まれる傾向にあります。

従って見積業務は、組織内の業務においてシステム化がいまだ進んでいない業務の一つだと言えるでしょう。

しかし、Excelで見積管理を行う環境のままだと、無くならない問題も多数あります。営業ノウハウの属人化、見積業務の迅速化、マス・カスタマイゼーションの実現不可などなど、問題が多数あるだけでなく、いずれの問題も深刻です。

見積業務を効率的に行い、様々な問題を解決するためには、システム化は避けられないでしょう。見積システムは、そんな見積業務問題の数々を解決します。

今回は、見積システムを導入することで、何が実現できるのか、どういった効果があるのかを紹介していきます。

見積システム導入で実現すること

まず、見積システムを導入することで、企業は次のようなことを実現できるようになります。

  1. 受注から見積作成・承認の高速化
  2. 過去の受注内容を参考に見積作成
  3. 商品名称の統一や誤表記の防止
  4. 原価や値引きルールを適用して正確な価格提示
  5. きめ細やかな製品構成
  6. バックオフィスシステム・Eコマースとの接続
  7. 継続的な改善による見積業務の最適化

それぞれ具体的に説明していきましょう。

1.受注から見積作成・承認の高速化

従来の見積業務において最も問題なのはそのスピードです。顧客から見積依頼を受けてから見積書を作成し、承認フローを完了させるまでに一週間ほどかかるという企業もあるでしょう。

こうした環境では顧客満足度を向上することはもちろん、受注から各リードタイムを短縮することもできません。

ただし、システム化によって簡単に解決できるポイントでもあります。見積システムとEコマースが連携されていた場合、顧客がWeb上で見積依頼をするとそのデータをシステムが処理し、見積作成を迅速に行うことができます。

さらに、システム上で承認フローを構築することで、電子化された承認業務によってフローを効率的に進めることも可能です。特に承認者の外出が多いような企業では、クラウド環境で見積システムを構築し、社外からも承認フローを回せるような環境を整えれば作業効率性が飛躍的に上がります。

2.過去の受注内容を参考に見積作成

見積システムでは見積作成を行うだけでなく、都度作成した見積内容を蓄積していくことができます。過去の受注内容は顧客情報と紐付けられ、いつでも閲覧可能になるので、新たな見積作成時に参考にすることも可能です。

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こうした情報管理のメリットは、見積作成だけに留まりません。

見積業務をシステム化するということは、営業個々人が作成した見積内容を、営業部門全体で共有できるということです。つまり、トップ営業マンの見積内容をもとに、ノウハウを共有することができます。

前述しましたがExcelでの見積業務環境ではノウハウの属人化という問題がありました。見積システムによって情報共有を強めれば、各営業マンのスキルアップにも繋がるということです。

3.商品名称の統一や誤表記の防止

営業ごとに見積作成を行う環境では、フォーマットがバラバラであったり、商品名称が統一されていないという問題も少なくありません。また、営業マンが都度商品名を入力することで、誤表記といったミスを起こしてしまう可能性もあります。

これらの問題は、顧客満足度はもちろんのこと、企業としての信頼性を損ねる可能性のあるものです。

システム化された見積業務ではこうした問題はほぼ皆無です。見積フォーマットは自然と統一されますし、システム上に商品登録を行っていれば、商品名称がバラバラになることも誤表記が起こることもありません。

一見ほんのちょっとした効率化かもしれませんが、こうした小さな改革が、実は顧客満足度や信頼性を高めるためのカギだったりします。

4.原価や値引きルールを適用して正確な価格提示

見積業務において正確な価格を提示することは大前提です。しかし、実際に適正価格を提示できているという企業は、残念ながら多くありません。皆さんも、顧客の応じて値引きしたはいいが、結果的に自社にとって薄利になってしまったという経験はないでしょうか?

もしも原価情報や値引きルールがしっかりと整備されていたら、こうした失敗が起きることもなかったでしょう。

見積システムでは企業独自の値引きルールを設定したり、原価管理システムや購買管システムと連携し、原価情報を見積システム上で把握することが可能になります。

そうした適正価格を提示できるようになれば、企業の利益率を確保した上で、競争力の高い見積もりが行えるようになるでしょう。

5.きめ細やかな製品構成

一部の見積システムでは、顧客へのカスタマイゼーションを実現すべく、きめ細やかな製品構成ができるものがあります。こうした見積システムはCPQ(Configure Price Quote)と呼ばれ、現在多方面で注目を集めているITソリューションです。

CPQは導入企業の仕様に応じて“カスタマイズ可能な受注環境”を実現することができます。

例えば顧客は専用Webサイトからカタログを確認しながら、様々なオプションを付け加えたりすることで、カスタマイズされた製品を発注することが可能です。CPQは受注情報を高速に処理して見積システムに反映し、見積業務を迅速化します。

6.バックオフィスシステム・Eコマースとの接続

CPQはカスタマイゼーションされた見積業務を実現するために、様々なシステムとの連携が可能です。

例えばバックオフィスシステムと連携することで受注内容を生産計画に反映し、部品調達や製造におけるリードタイムを大幅に短縮することができます。すなわち、マス・カスタマイゼーションの実現です。

さらにEコマースと連携することによって、その迅速性を極限まで高めます。

7.継続的な改善による見積業務の最適化

見積システム、並びにCPQを導入することで見積業務に関する様々な情報を蓄積していくための環境が整います。過去の見積書、見積内容、商談内容、顧客ごとの受注履歴などなど、蓄積されていく多くの情報は大切な資源です。

見積システム最大のメリットは、こうした情報資源を活用できる点にあると言っても過言ではないかもしれません。

蓄積した情報はERPやBIと連携し分析することで、自社製品や顧客に対する新たな知見を発見できる可能性があります。分析が行えるということは評価ができるということ、評価ができるということは現状の問題点を把握できるということです。

こうした継続的に改善を加えていけば、見積業務を最適化し、営業パフォーマンスを高めていくことが可能となるでしょう。

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まとめ

以上のように、見積システムには様々な導入効果があります。そのどれもが現状の見積業務問題を解決できるものであり、さらには生産への大きな影響力も持つのです。また、CPQは次世代の見積システムと言ってもいいほど、製造業における見積業務を効率化してくれます。

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