医療機器メーカーがCPQを検討する4つの理由

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はじめに

企業の購買方法が変化しています。Forrester2021 B2B Buying Studyでは、購買に関わる平均的なインタラクション数が、2019年の17から2021年には27と、ここ数年で10も急増したことが明らかになっています。

また、この調査では、購入の63%4人以上が関与しており(2017年は47%のみ)、複数の部門からチャンピオン、インフルエンサー、意思決定者、ユーザー、評価者といった異なるバイヤーの役割を含むことが明らかになっています。

多くの人がより多くのリサーチをすることで、買い手からのプレッシャーが増すことに加え、メーカーは収益性の向上、キャパシティに余裕のない社内のITリソースへの依存度の低減、売上規模の拡大といった内的なプレッシャーに直面しています。

特に、医療機器のような複雑な機器を製造するメーカーでは、B2B営業において深刻なハードルに直面しています。症状として現れるのは、「低マージンが利益を圧迫している」「見積が遅く正確でないため、販売や生産に支障をきたしている」「売上増を阻む機会損失」のような一般的なビジネス上の問題です。その根本原因として多いのが、実は情報のサイロ化なのです。

情報のサイロ化とは

企業で部門ごとに異なるシステムや業務プロセスなどを採用している場合、それぞれの部門内では完結しているものの、他部門との情報の連携が取れておらず孤立している状態のことです。サイロ化して情報共有がされないことで、意思決定の遅れや、作業効率の悪化、生産性の低下など様々なデメリットが引き起こされます。

<情報サイロ化に起因するビジネス上の問題の例>

現象 根本原因
低マージンが利益を圧迫 サイロ化した製品価格情報
見積が遅く正確でないため、販売や生産に支障をきたしている  
売上増を阻む機会損失  

CPQ(コンフィギュア・プライス・クォート)ソリューションは、複雑な製品を持つメーカー向けに設計されており、販売を簡素化し、コストを削減するのに役立ちます。医療機器メーカーが情報サイロ化の問題やそれに起因するビジネス上の問題を解決する上で、極めて重要な役割を果たすことができます。

このブログでは、医療機器メーカーが直面しているビジネス上の問題を解決するために、堅牢なCPQシステムがどのように役立つかを以下4つの観点から説明します。

1.サイロ化した情報をつなぐ

2.利益の可視化

3.見積プロセスの合理化

4.販売規模を拡大

サイロ化した情報をつなぐ

すべての販売チャネルは、さまざまなレベルの製品および価格情報への即時アクセスを必要としています。販売員、ディーラー、セルフサービス・インターフェースはすべてオムニチャネル販売において役割を果たし、通常ERPシステム内に封印されていた情報を提供する必要があります。

オムニチャネルの販売能力を高めたい医療機器メーカーにとって、CPQCRMERPのデータのハブになる。価格設定ルール、構成ルール、製品説明、製品在庫を含めることで、CPQは、ある部門だけで個別に蓄えていた知識を確実に取得し、全社員が同じプレイブックに従うようにします。

定期的な製品や価格情報の更新もIT部門の負担なくCPQで対応することができます。適切に設定、実装されたCPQソリューションは、システム間のシームレスなデータフローを可能にし、メンテナンスの必要性も緩和され、非効率なマニュアルシステムへの依存を大幅に削減することができます。

販売を簡素化 コスト削減
営業担当者は必要な情報を集めるために複数のシステムを学習し、使用する必要がない 複数のシステムのメンテナンスを削減し、異なる古いソースに起因するエラーを排除します
ERPから直接取得した最新の情報を営業に提供するため更新を迅速に行うことができます 定期的なアップデートを自動化し、IT部門が関与しないようにする
ある部門だけで共有されてこなかった知識を取込み、全体にルール化します 新しい営業担当者は、ほんの少しトレーニングするだけですぐ稼働できるようになります

利益の可視化

CPQが販売情報や商品情報のハブとなることで、経営陣は案件の収益性を可視化できるようになります。

CPQを使うことで、営業マネージャーは以下を見ることができます。

  • 各案件を構成している製品について
  • 特定の製品がどの程度パイプラインにあるか
  • どの案件が最も収益性が高いか

CPQは、各メーカーのニーズに合わせて設定することができ、ERPにコントロールを残したまま、意思決定者がERPと接続することでサプライチェーンを見ることができる機能を備えています。CPQでは、人件費や原材料費を設定し、経営者が見る画面には表示されますが、顧客が見る画面には表示されないようにすることができます。

CPQによる利益の可視化で販売を簡素化し、コストを削減

販売を簡素化 コスト削減
マネージャーは、どの案件が最も収益性が高いかを判断できます 不採算案件での無駄な時間の削減
営業マンが会社が指定したマージン以下の取引をしないように、下限のラインを設定することができる マージンの確保
原材料費と人件費の増加は、製品原価に即座に反映させることができる 目に見えないコストアップによって利益が食い潰されないようにします

CPQパイプラインの可視化は、いかにしてゲームチェンジャーとなるのか?

単に製品に関する複数の案件を見るのではなく、CPQを使えば、営業マネージャーは、いくつかの案件は特別な部品を必要とし、そのうちの1つは今すぐには調達できない部品を持ち、2つの案件は目標マージンを下回りそうだということを知ることができます。

CPQ導入前のパイプラインの可視化

案件 総収入
グレーライントラクター $400,000
クロフォード機器

$300,000

ジェンソン・マシンセールス

$250,000

CPQ導入後のパイプラインの可視化

案件 製品オプション 総収入 グロスマージン 可能性/予測 調整後収益
グレーライントラクター MODEL55100 $400,000 $80,000 ✔80% $320,000
クロフォード機器 MODEL6150 $300,000 $60,000 !30% $90,000
  CAB-DELUXE        
  照明ハロゲン        
  グレートスロッテド     !6週間遅れ  
ジェンソン・マシンセールス MODEL5325 $250,000 $50,000 ✔90% $225,000

 

導入事例:ヘルマー社

 

見積プロセスの合理化

エンジニアが手作業で見積書を確認し、承認するのに何日も待つのは、競争力のある営業戦略とは言えません。顧客は、必要な情報を素早く得ることができなければ、他に移ってしまうのです。

CPQは、CRMERPのデータ、価格や設定ルール、商品の在庫状況などを利用して、異なる販売チャンネルが自律的に見積書を作成できるようにします。CPQソリューションの使用により、すべての販売チャンネルは一貫したガイドラインに即座にアクセスでき、余分な承認ステップが不要になる。エンジニアリングが手作業で行っていた見積承認プロセスを、自動的に適用されるルールに変換し、見積プロセスを大幅に高速化しました。

一貫性のある魅力的な企画書を簡単に作成

プレゼンテーションが重要です。他の提案書を切り貼りするような面倒な見積書作成プロセスでは、何時間もかけて練り上げなければならないようなプロフェッショナルとは言えない出来栄えになってしまうことがよくあります。CPQを使えば、営業は使いやすい文書作成ツールで、一貫性のある魅力的な提案書を素早く作成することができます。

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CPQによる見積プロセスの合理化で営業を簡素化し、コストを削減する方法

販売を簡素化 コスト削減
すべての販売チャネルが待ち時間なく情報にアクセスできます 必要な人数を最小化します
見積・提案の迅速化を実現 見積の修正に必要な人員を削減し成約率を向上させます
手動での提案書作成を自動化 貴重な時間を節約・営業担当者は、提案書を手作業で作成することなく、営業活動に専念することができます

優秀な営業人材の確保と維持

営業担当者が自律的に仕事をし、顧客に即答するために必要なツールを提供することは、優秀な営業担当者

を惹きつけ、確保する上で競争力となります。Forbesは、The Growing Talent Crisis In Salesの中で、優秀なセールスパーソンを採用、強化、維持するための鍵として、売り手側の体験をシンプルにして改善することを推奨しています。

“日々のセールスワークフローを再構成し、売り手側の体験をシンプルにして改善すること。売り手のストレスは、セールスパーソンが消耗する大きな要因です。セールステクノロジーの普及によって、MRはあまりに多くの異なるシステムを学習しなければならず、調べものも増え、営業訪問の報告書の記載に多くの時間を費やさなければならなくなり、不満を抱いています。この状況はテクノロジーが作業を軽減するどころか、むしろより多くの作業や摩擦を生みだしていると言えます。ユーザーの満足度とエンゲージメントを向上させることができる投資であれば、販売者の潜在能力を最大限に引き出すことができます。

販売規模を拡大

新しい製品や機能を、異なる販売チャネルでどれだけ早く販売できるか?製品情報の周知の遅れは、売上の機会損失につながる可能性があります。CPQを使用すれば、製品の更新は、正しい詳細と価格、標準的なガイドラインと構成ルールで、迅速にセールス部隊に広めることができます。また、CPQはガイデッドセリングと呼ばれるガイダンス機能を提供可能で、ユーザーがスマートに構成選択ができるようになっています。そのためMRが顧客のニーズにあった販売ができるようアシストします。通常、多くの成約を通じて徐々に獲得されるナレッジを把握・共有することで、すべての営業チャネルの効果を高めることができます。

システムを接続し、見積や注文のプロセスを合理化することで、CPQは、新しい営業担当者や注文入力担当者の人員増員などをする必要なく、市場の需要増加に容易に対応することができます。

CPQを利用することにより販売を簡素化やコスト削減が実現し、販売規模拡大へ

販売を簡素化 コスト削減
一貫した製品情報がすぐに広くいきわたります 複数のシステムで製品情報を更新するプロジェクトで大規模な作業を行うための技術的なリソースが不要になります
成功した戦略を追跡調査し、再現することができます 新人営業マンと経験豊富なチームメンバーの営業効果とのギャップを最小にします
接続されたシステムは、見積や注文処理の増加に容易に対応し、自動化することができます 迅速な販売規模拡大のために追加辞任を採用する必要がなくなります

Cincom CPQは、医療機器メーカーの成功を支援します。

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