Eコマース BtoB市場の動向調査

Eコマース BtoB市場の動向調査

Eコマースは今やビジネスの中心であり、BtoBかBtoCかを問わず、多くの企業がデジタル化された取引環境を整えています。特にBtoBのEコマース市場は成長が顕著であり、意外にも大規模な市場成長を遂げているのです。

このBtoBのEコマースについて検討することで、製品サイトなどにも求められるサービスやコンポーネントのヒントになると思います。BtoCのEコマース市場との比較、BtoB Eコマースの重要性、そしてBtoB Eコマースを実現するために重要なこととは何か。現在Eコマース市場参入やディーラー向けポータルサイト等を検討する際に参考にしていただければと思います。

BtoBとBtoCのEコマース市場の違い

Eコマースと言えば、楽天やAmazonといったBtoC向けの事業者を思い浮かべる方も多いかと思います。実際に連日ニュースで流れる情報はBtoCのEコマースに関するものばかりであり、BtoBのEコマース情報は乏しく、まだまだ発展途上にあると感じます。また、実際のサイトは認証がかかっているため、外部から閲覧ができないケースが多く、他社サービスを参考にしづらい実情もあります。

しかし、実際の市場規模は非常に大きく拡大を続けています。経済産業省が平成10年から毎年行っている市場調査報告「電子商取引に関する市場調査」でも、驚きの数値を確認することができます。

2016年のBtoC Eコマース市場規模は15兆1,358 億円で、昨年からの伸び率は9.9%と堅調です。これに対し、BtoB Eコマース市場はなんと291兆170 億円(前年比1.3%増)と、BtoCの19倍以上の市場規模を持っているのです。

引用:「平成28年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)

これは意外、と思われる方も多いでしょう。ちなみにEC化率に関してはBoCが5.43%、BtoBが28.3%とやはりBtoBの方が高い数値をマークしています。広く知られていないだけで、実はBtoBのEコマースの方が圧倒的に多いのです。

ただし、BtoBの数値には取引をEDI化した企業も含まれている点を考慮に入れて参考にしてください。

BtoBのEコマースはなぜ重要性が高いのか?

意外にも市場規模が拡大しているBtoBのEコマース。市場がここまで成長した背景には、どのような理由があるのでしょうか?

1.企業の購買行動がWeb化してきている

インターネットが本格的に普及し始めてから十数年、その間にはスマートフォンやタブレットの登場、クラウドサービスの台頭など様々な変化がありました。こうした中、一般消費者の購買行動がWeb化したことは、皆さんも肌で感じているでしょう。

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Cincom ECMカタログ

消費者はまずWeb上で情報収集を行い、ニーズに応じてEコマースで購入したり、実店舗まで足を運んだりします。実は、一般消費者だけでなく企業の購買行動もWeb化が進んでいます。

例えば部品・原材料の調達担当者は新たな仕入先を選定する際、まず検索エンジンやSNSを活用して情報取集を行います。また、Eコマースを活用したり、仕入先と直接コミュニケーションを取ったりと、必要に応じて購買行動を変化させているのです。

こうした中、徐々にWeb化の傾向が強まっており、BtoBのEコマースの重要性が高まっているは必然でしょう。

2.Web経由での仕入れにより工数を削減できる

顧客側からすればWeb経由での仕入れを行うメリットは、仕入工数を削減できるポイントにあります。対面でのセールスでは担当者とコミュニケーションを取った上で、見積依頼を行ったり受注書を発行したりなどそれなりの工数がかかります。

こうした工数を削減したいというニーズは、顧客側からすれば当然のものです。

Eコマースを経由した仕入ならば、システム上で見積もりを確認した上で、発注をかけることができます。あるいは、営業担当からの見積もりを待つとしても、システム化された環境によって大幅な時間短縮が見込めます。

こうして仕入れ工数を削減し、かつそれを望んでいる顧客が増加していることから、Eコマースの重要性は日々高まっています。

3.セールスコストを削減できる

BtoBでEコマースを活用するメリットは、なにも顧客側だけではありません。運営側においても収益拡大という効果以外のメリットがあります。そのメリットとは“セールスコストの削減”です。

Eコマース経由で見積依頼、あるいは受注を受けた場合、そのデータを業務システムに反映させて迅速な見積書作成や、出荷・生産指示を出すことができます。また、Eコマース上で見積機能があれば、営業は見積業務を行うことなくセールスに集中できます。

これらはすべてセールスコストの削減となり、企業は余ったリソースを別の領域で活用することができるのです。

BtoBとBtoCは同じではない

BtoBのEコマースを運営する上で重要なことは、BtoCのEコマースとはその性質がまったく異なるという点です。

BtoCは一般的に消費者の購買意欲を煽ることで収益を拡大します。そのためにランディングページを活用したり、コンテンツマーケティングを行ったりするのです。しかし、BtoBでも同じ施策が有効かというと、そうではありません。

BtoBのEコマースではシステム上で如何に製品情報を整理されているか、そして必要に応じて仕様変更を行えるようにすることが大切です。BtoBのEコマースを使用する仕入担当者などのニーズは、如何にすばやく、そして正確に自身が求めている製品を集められるかという一点に集約しています。

じっくりショッピングを楽しみたいわけでも、Eコマースごとに製品比較を楽しみたいわけでもありません。その点を考慮すれば、一度リピーター化すれば長い間自社製品を購入してくれる優良顧客になり得ます。

従ってBtoBのEコマースを成功させるためには、如何にして製品を購入してもらうかを考えるのではなく、どれだけ顧客に寄り添った、使いやすく効率の良いシステムを構築するかにあると言えます。

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BtoBのEコマースを実現するCPQとは

CPQ(Configure Price Quote)とは、BtoBにおけるEコマース、そして見積業務の収益と効率を最大にし、新たなビジネスを展開するためのITソリューションです。CPQを導入することで柔軟な仕様変更ができるEコマースを構築し、かつ見積システムとの連携で効率的な見積・提案業務を行うことができます。

また、CPQを活用することで生産システムと連携し、大量生産と受注生産の側面を併せ持つ、マス・カスタマイゼーションを実現することも可能になります。

まとめ

いかがでしょうか?実はBtoCよりも規模が大きいBtoBのEコマース。その重要さは今後も高くなっていき、最終的には多くの企業の購買行動がWeb上で完結するような、そんな未来がくるのではないかと思います。

また少なくともBtoB Eコマースの重要さはますます高まることに変わりはありません。BtoB企業が収益を拡大していくためには、やはりEコマースは避けて通るわけには行かず、CPQをはじめとする、B2B Eコマースに求めらえるITソリューションを適切に選択し、新しいビジネススタイルの構築に迫られていると考えても過言ではありません。

まずは自社サービスがどのような状況にあるか、客観的に分析すると共に、CPQをはじめ、B2B向けサイト構築に必要なサービスについて評価を始めてみてはいかがでしょうか。

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