CPQとは

CPQとは

多彩な製品構成を持つ製造メーカーにおいて、今注目されているのがマス・カスタマイゼーションです。そしてマス・カスタマイゼーションを実現するためのソリューションとして、“CPQ”が存在します。

CPQというITソリューション、海外ではかなり浸透していますが、日本ではまだ聞き慣れない方もいらっしゃるかもしれません。ここ最近では製造業などを中心に日本でも少しずつ導入事例が増え、注目度もアップしてきました。とはいえ、ERPやCRMなどと比べるとまだメジャーではない比較的新しいソリューションです。

今回はこのCPQについて、その概要を解説していきたいと思います。ドイツ政府が推進するインダストリー4.0や、米国産業を中心に進むスマートファクトリーなどに注目している方は、ぜひCPQについて知ってください。

Configure Price Quote(CPQ)とは?

CPQは「Configure Price Quote」の頭文字を取ったもので、それぞれに意味があります。

まず「Configure」は製品仕様。主に見積もりを作成する際の製品選択やオプション選択などを容易に行うための機能です。そして「Price」は値引きや承認など、多様なルールを適用して正確な製品価格を提示するための機能です。最後に「Quote」は一連の作業にもとづき、見積書や契約書を作成し、かつそれを適切に管理するための機能となります。

つまり、CPQとは顧客からの製品受注(カスタマイゼーションに対応した)から製品価格提示、見積書などの作成・管理をシステム化することで、効率的かつ営業と生産においた高い連携性を確保するためのITソリューションなのです。

CPQを活用するメリット

具体的にどのようなメリットがあるかというと、CPQを導入することで製品販売に関わる工数や機能を最小限に押さえ、販売・生産・納品のリードタイムを最小化することができます。

例えばCPQがない販売環境では、顧客が製造メーカーのWebサイトやカタログを確認しながら、必要な仕様を決定していきます。それを電話ないしはメールにて見積依頼を行い、製造メーカーは顧客からの仕様設定に応じた見積もりを後日連絡します。ここまでの工数だけでも、すでに数日を費やしていることでしょう。

見積書で価格や納期を提示し、顧客からのGoサインが出ればそこからさらに部品調達や生産計画への反映など、実に多くの工数がかかります。最終的な納期はかなり長いものとなってしまうでしょう。

導入事例:シーメンス社
Cincom CPQ Solution Configurator

こうした販売環境をCPQで刷新した場合、顧客はまず最適化されたWebサイトから製品仕様を決定できるようになります。さらにWebサイト上で値引きルールに応じた正確な価格を知ることもできるので、具体的な製品検討が可能です。

Webサイト上で見積依頼をかけるとそのデータをCPQが処理し、見積書作成を迅速に行います。さらには承認フローを回し、見積書作成と提示の時間を大幅に短縮することができるのです。

CPQと生産システムを連携させれば、受注した時点で必要な部品リストデータを生産システムと共有したり、自動的に生産計画へと反映させることも可能になります。こうしたシステム環境を整えることができれば、販売環境だけでなく生産管理においても、かなりのメリットを享受できるようになるでしょう。

“クラウド”とCPQで実現できること

最近では「クラウドサービスに参入する」というフレーズを耳にすることも多くなってきました。CPQもそんなITソリューションの一つで、クラウド化が進んでいる製品です。

CPQをクラウド化することによって、どのようなことが実現できるのでしょうか?

一に導入コスト・導入期間の圧縮があります。クラウドとはWeb上で利用するサービスやインフラの総称です。クラウドを利用することは、自社にインフラを持たず、システム環境を構築するという意味でもあります。

つまり、サーバ調達やソフトウェア設定などのシステム刷新時における手間がありません。それによって、導入コストは削減されますし、導入期間を大幅に短縮することが可能となります。

二に運用効率化というメリットがあります。前述の通り、クラウドとはWeb上で利用するサービスやインフラのことです。では、それらはどこで稼働し、どのように運用されているのか? 答えは「システムベンダーに一任している」です。

クラウドはWebの向こう側、システムベンダーの手元で稼働していて、運用も行われています。つまり、ユーザー企業にシステム運用の手間とコストがかかることはありません。現状としての運用負荷を最大限に維持しつつ、新たなシステムを刷新できるということになります。

その代わりと言ってはなんですが、毎月のコストが発生します。この点をデメリットに感じる企業も多いようですが、オンプレミス(社内運用)でもランニングコストがかかっていることを忘れてはいけません。

システム運用を効率化できるという利点を考慮すれば、クラウドの方がトータルメリットで上回っているということは往々にしてあるのです。

CPQはクラウドで導入するのがいい?

営業活動に必要なCRMや、統合的システム環境を構築するERP。これらのシステムを導入する場合は、既存システム環境を刷新して導入するという形が一般的です。従って、導入前と導入後のシステム運用負荷にあまり差はありません。

しかし、CPQは違います。CPQは既存システム環境に“プラスして”導入し、CRMやERPなどと連携することで、その効果を最大化できるITソリューションです。つまり、CPQをオンプレミスで構築すると、その分のシステム運用負荷がそのまま上乗せされます。

情報システム人材が豊潤な企業なら問題ないのでしょうが、IT人材不足の現代において、そうした企業は少ないでしょう。むしろ、ほとんどの企業が、如何にシステム運用負荷を下げつつシステム化を図っていけるかを考えています。

そうした環境の中、CPQはやはりクラウドとして導入するのがベストだと言えるでしょう。クラウドサービスとして利用するか、あるいはクラウド環境上に構築するか、何が最適かは別として、やはり、クラウドの採用可否がCPQ構築成功のカギを握ります。

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まとめ

受注から生産、納品までのリードタイムを短縮するための“変革”が欲しい。マス・カスタマイゼーションを実現して、顧客満足度と利益率を向上したい。そんなニーズを抱えている企業は、ぜひ、CPQの導入をご検討ください。

まずはCPQがどんな機能を備えていて、どのような導入効果があるのか、これらを知ればCPQをグッと身近に感じられるはずです。Cincom CPQ™は、皆さんの販売・生産・納品問題を解決へと導き、顧客満足度と利益率を向上するITソリューションです。

海外ではシーメンス社を始め、著名な企業が受注設計生産品の作成時間を短縮やディーラ向け販売システムの刷新にCincom CPQ™を採用しています。日本ではブラザー工業社が自社の産業用工作機器の分野において、営業と製造のシステムの連携や見積部品表の運用改善、見積の正確性向上のため導入しています。
ぜひ、この機会にCincom CPQ™をご検討ください。

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