CPQと労働生産性

 2019.12.18  Osamu Urakawa

sales-support-tools2019年4月1日から「働き方改革関連法」が順次施行されています。厚生労働省によると、我が国は、「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」「育児や介護との両立など、働く方のニーズの多様化」などの状況に直面しているとし、こうした中、投資やイノベーションによる生産性向上とともに、就業機会の拡大や意欲・能力を存分に発揮できる環境を作ることが重要な課題になっているとしています。

2008年に日本の人口はそのピークを迎えており、内閣府では、この労働力不足を解消させるために、働き手を増やし、出生率を上昇させ、労働生産性を向上させる必要があるとしていますが、ソフトウェアの対応できる範疇は「労働生産性の向上」ということになると思いますので、まずは「労働生産性の向上」の定義を明らかにしてから、CPQ導入はどの部分に効果があるのかをご覧頂きましょう。

 

出展:将来推計-現状のまま推移した場合、100年後には現在の3分の1まで急減(内閣府)

CPQ導入と労働生産性の関係とは?

まず、労働生産性ですが、以下のように定義することができます。

労働生産性
 = 労働による成果(サービス品質)÷ 労働の投入量(従業員数や時間当りの労働量)

この定義式をみると、労働生産性を高めるためには、1)労働の投入量、これはコストとも置き換えることができますが、この労務コストをを減らすことと、2)サービス品質、これは、顧客がサービス提供者から得られる顧客価値経験(カスタマーエクスペリエンス:以下CX)ということにもなりますので、このCXを向上することになります。

CPQを導入した結果、上記の1)、2)ともに実現できれば、労働生産性は高まる訳ですが、実際のところ、企業がCPQを導入した結果として、どの程度のコスト低減やCX向上がその導入先企業にあったのかを見てみましょう。労働生産性向上に繋がる、CPQの導入効果とはどのようなものかを事例でご紹介します。

CHS保健指導管理カタログ
Cincom ECMカタログ

Cincom CPQを導入した企業からも公開されているものがありますので、その実際の効果を特に定義式の分母の部分(労働投入量)の効果について見てみましましょう。

cpq_result_20191217

また、CX的な視点では、当社の国内事例なども見ても、これまで単純なECサイト内での顧客とのやり取りが、CPQに置き換わったことで、迅速に注文(発注)できることはもちろんのこと、CPQでデザインされた新規のECサイトで商品・サービスを注文することが心地良いと感じて頂けていることが「顧客満足度調査」の結果からも明らかになっています。

これは、CPQを導入することによって、労働生産性の定義式の分母、分子、両方に対して、労働生産性を向上させるためのインパクトがあると言っても良いでしょう。

つまり、CPQを導入することによって、企業は、企業における定量的な労働生産性の向上はもちろん、顧客の側におけるCXの向上ような定性的効果も計れるわけです。

出展:労働生産性とは?混同しがちな定義と計算式をわかりやすく解説(BOWGL)

Configure Price Quote(CPQ)とは?

ここで改めて、CPQとは何かを見てみましょう。

CPQは「Configure Price Quote」の頭文字を取ったもので、それぞれに意味があります。

まず「Configure」は製品仕様。主に見積もりを作成する際の製品やサービスの選択やそれらに関連するオプション選択などを容易に行うための機能です。そして「Price」は値引きや承認など、多様なルールを適用して正確な製品価格を提示するための機能です。最後に「Quote」は一連の作業にもとづき、見積書や契約書を作成し、かつ、それを適切に管理するための機能となります。

つまり、CPQとは顧客からの製品やサービスの受注業務から製品やサービスの価格提示、見積書などの作成・管理をシステム化することで、企業内にあるSFAやERPなどの基幹システムとの連携も含めた労働生産性向上を図るための企業向けITソリューションなのです。

見積書で価格や納期を提示し、顧客からのGoサインが出れば、そこからさらに部品調達や生産計画への反映など、実に多くの工数が企業内では発生します。また、それらの工程を完結するまでの納期はかなり長いものとなってしまうでしょう。

こうした冗長たる業務プロセスは存在する既存の販売プロセス環境に対して、CPQを導入することでこれらの業務プロセスを刷新すれば、顧客はまず最適化されたWebサイトから製品仕様やサービス内容を簡単に決定できるようになります。さらにWebサイト上で値引きルールやその地域に応じた「正確な価格」を知ることもできるので、Webサイト上でこれらの検討がすべて可能となるわけです。

Webサイト上で顧客が見積依頼をかけると、そのデータをCPQが処理し、見積書を迅速に作成します。さらに、企業内向けに承認フロー機能を実装しているため、CPQにより社内回覧を回し、見積書の作成から回覧完了までの属人的な工程も大幅に短縮することができるのです。

また、CPQと生産システムを連携させれば、受注した時点で必要な部品表情報を生産システムと共有したり、自動的に生産計画に反映させることも可能になります。こうしたシステム環境を整えることができれば、販売(営業)環境だけでなく、生産管理においても労働生産性の向上が図れることになるでしょう。

マスカスタマイゼーション時代を支えるCPQソリューション

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