CPQ導入の効果
CPQシステムはどんな会社に必要か?
CPQ、つまりConfigure(製品構成)、Price(価格設定)、Quote(見積)のためのツールには、ユーザに役立つ多くの機能があります。今朝もCPQソリューションのトップ10といった記事を見る機会がありましたが、はたしてCPQソリューションは実際どれくらい効果的なのでしょうか?その効能について誇大広告や業界紙の宣伝文句がたくさん並んでいるなか、はたして企業はCPQソフトウェアを本当に活用し、明確なメリットを得ているのでしょうか?
もちろん、CPQシステムが価格設定や製品構成にまつわるエラー発生率を確実に引き下げたりRFPに素早く回答することを可能にすること自体は間違いありません。米国のリサーチ会社であるAberdeen社がCPQの効能について広汎な調査を行っており、興味深い結果が得られているので、そのうち重要な部分を今日はご紹介します。CPQソリューションが販売実績に与える影響もご紹介します。
CPQソフトウェアによるリードのコンバージョンレート
マーケティング業務のなかでもっともフラストレーションが溜まるのは、リードを獲得するフェーズです。有望見込み客を絞り込むための方法はいくつもありますが、マーケティングと営業でその基準が食い違うことは仕方のないことです。しかしもしあなたがマーケティング担当で、自社の製品に興味をもっている見込み客に直接会う機会があったら、この食い違いはちょっとした問題を引き起こします。
たいていのマーケティング担当者は一定の基準で作成された見込み顧客リストと格闘するばかりで、見込み顧客ひとりひとりと話す機会を持つことはまずありません。そこで、たまたま1対1で話す機会があってとても確度が高い見込み顧客だとわかれば、すぐに営業部門に回したくなるはずです。だってもう内心、「これはイケる」と思っているのですから!
そこでマーケティング担当者は営業マンにリードを渡して、自分は営業マンから感謝の電話がかかってくるのをのんびり待っていればいい、というわけです。しかし実際はそんなことは起きません。営業マンからは連絡がなく、電話口はいつまでも静かなままです。数ヶ月後、あなたは営業マンにあのリードの件について尋ねるでしょう。彼らは記憶からその件をひっぱりだして、やれあの見込み顧客は大きすぎたとか、小さすぎたとか、セグメンテーションが間違っていたとか、価格にしか興味をもってもらえなかったなど、ありとあらゆる「言い訳」がきこえてきます。
一面ではこれらの「言い訳」はたしかに真実なのでしょう。リードのコンバージョンという概念にはこのような問題があるものの、マーケティング/営業のパフォーマンスをはかるには、それでもなおこの上なく重要な指標だといえます。
Aberdeenの調査によれば、CPQソフトウェアを使用した場合、導入していない企業に比べて、リードのコンバージョンレートは8.2倍の高さとなっています。
CPQと顧客継続率
製品を購入するということは、一昔前と比べてずいぶん様変わりしました。昔はあらかじめ決まった額を財布から出せばそれで購入した物の所有権を取得することができました。
しかしある時エンドユーザ向けにレンタルというすぐれたアイディアが持ち込まれました。レンタルの考え方はファイナンシャルリースやオペレーティングリースとして発展してきたものですが、いまや製品をサブスクリプションのもとで使用するようになったのです。ソフトウェア、ハードウェア、ダンプカー、賠償責任保険といったものまで何でもレンタルの対象にすることができます。製品を使用する権利は利用契約によって許可されることになり、具体的な利用者数や物理的な場所などに応じて利用が許可されることになります。
この販売モデルは企業にとってはとても収益性が高いものの、既存顧客が継続してくれるように積極的かつ強い意志でビジネス上の努力を続けていかなければなりません。ただ待っているだけでは再契約してもらうことはできないでしょう。
CPQを導入すると顧客継続率はどのくらい改善するのでしょうか?Aberdeenの調査によれば、CPQ製品のソリューションを導入した企業はそうでない企業にくらべ7.5倍の顧客継続率となっています。
CPQ製品による見積・契約内容のエラー率低下
CPQ(製品構成/価格設定/見積)ツールのメリットして真っ先に挙げられるのは、この見積・契約内容に関するエラー率の低下です。たとえば複雑な価格設定や製品仕様も、タブレットとCPQシステムを使ってわかりやすく表示することができるのです。
エラー率の低下というメリットは、実際絵空事ではありません。製品仕様や、とりわけカレンダに応じた価格設定や業務知識のモデリングは以前よりもずっと複雑なものになりました。多くの種類の業務モデリングや、セール期間、購買、リース、レンタル、サブスクリプションなどといったものに取り囲まれている方は、とくに思い当たることがあるかと思います。
CPQシステムはこのような複雑さを増した現実に対して取り組むために、大いに役立ちます。
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