キーマン対談 神奈川県知事 黒岩祐治氏(第1章)

 2016.03.01  シンコム・システムズ・ジャパン

キーマン対談 神奈川県知事 黒岩祐治氏(第1章)

黒岩祐治(くろいわ ゆうじ)氏 神奈川県知事

1954年 兵庫県神戸市に生まれる。1980年 早稲田大学政経学部卒業、同年、 (株)フジテレビジョン入社、2009年退社。 2009年 国際医療福祉大学大学院教授に就任、2011年退職。2011年 神奈川県知事に就任。

「いのち輝くマグネット神奈川」そのメッセージに込めた想い

黒岩氏石村知事の就任時のインタビューやホームページを拝見しまして、知事の掲げていらっしゃる“いのち輝くマグネット神奈川”という方向性はすばらしいと思いました。少し詳しくお聞かせいただければと思います。
黒岩:今回の立候補はまさに青天の霹靂でした。立候補を表明してから選挙が始まるまで1週間ちょっとしかなかったんです。私はキャスターとして20年間、さまざまな政治家の方々にお話を聞いていましたけれど、その中でずっと頭の中をまわっていたのは「要するに」という言葉でした。「要するにあなたはこの日本をどうしようとしているんですか」といつも問いかけてきたのです。立候補を決めた時、「“要するに”おまえは何をやりたいんだ」と自分に問うた答えが“いのち輝くマグネット神奈川”です。 なぜかというと、いろいろな地域へ行って講演活動をしていたときに、「いのち輝くマグネット地域を目指しましょう」と言っていたんです。自分が神奈川の行政を預かったなら、いのち輝くマグネット神奈川を目指そうと。
石村:ひらがなの“いのち”なのですね。

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黒岩: はい。漢字ではなくて、やわらかな広がりを持ったひらがなの“いのち”です。平成元年から2年間、夕方のニュースの中で、救急医療のキャンペーンを行って以来の私のキーワードです。それまで救急隊員は医療行為ができなかったわけですが、救急車の中に医療がないのはおかしいのではないかと、2年間でのべ放送回数100回の連続キャンペーンを行い、救命救急士法というものができました。それから医療の問題をライフワークだと思ってやってきました。そうするうちに、看護師の問題にも目を向けてくださいとお手紙をいただき、看護の世界に目を向けるようになりました。
患者さんや家族が安心できる医療の形になってほしいと願ってやってきましたが、医療の世界というのはそういう風に作られていない。それが他の産業とは全然ちがうと思うんです。他の産業だと、お客さんのニーズがあって、それにどう対応するかということで形が決まって来るというのは当たり前のことです。ところが医療はそうではなくて医療を提供する側の理屈でつくられていた。悪意があってそうなっているのではないですが、専門性がありきで病気そのものにしか目がいかなくなる。改革をしていくべき方向性は、患者に向き合う医療ですね。これはまさに“いのち”に向き合うことです。

石村: 日本の企業の世界では2000年を過ぎたあたりからようやく、顧客視点と言われるようになってきました。ところが知事もおっしゃったように、医療の世界では、人に対するケアというところが、今まで語られてこなかったなという印象がありますね。特に患者さんが顧客であるという視点が欠けているというのは本当によく分かります。患者さん、医療を受ける側が主役と考えると、それを県というものに置き換えれば住民が主役であるわけですよね。

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黒岩: “いのち”を中心に考えたときに、医療はごく一部だということがわかります。食の問題もあれば住まいの問題、環境の問題もあります。そういったトータルで命に向き合う形になっていなければなりません。これを実現していきたいと思う訳です。ところが国の仕組みの中では、縦割りの弊害がでてくるんです。もしかしたら県単位ではその垣根を取り去ることができるのではないかという想いでいます。行ってみたいな、住んでみたいな、長生きしてよかったなと思える地域にしていきたい。

石村: 県庁という大きな組織を動かすためには、ある程度力強いメッセージが必要かと思います。それが非常に強くはっきりと打ち出されているなと感じています。
黒岩: ありがとうございます。マニフェストに細かい数字を書き連ねたところで一般の人には意味がさっぱりわからないということがよくあります。それよりも“要するに”こういう神奈川にするんだ、あとはみんなで知恵を絞ろうよと、そういうことですよね。みんなが分かるように一つの目標に向かっていく。みんなで知恵を絞って、みんなでつくっていくという行政をしていきたいなと思っています。

第2章「圧倒的なスピードで神奈川発のエネルギー革命」へ続く


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