リレートーク「支援を支えるICT」第1章

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安齊由紀子氏

三菱電機ライフサービス株式会社,ワークサポート事業本部,ウェルネス事業部,東日本ウェルネスセンター,副センター長,兼企画グループ 主査,兼東京支店,総合営業推進室主査(東京支店駐在)。管理栄養士・糖尿病療養指導士・病態栄養専門師 総合病院に管理栄養士として勤務後、平成13年(2001年)に三菱電機ライフサービス株式会社入社。

1. 大事なのは“ちょっとした”フォロー

安齊由紀子氏

石村: 安齊さんは、現在三菱電機ライフサービスさんで管理栄養士として働いていらっしゃるということですが、どのようなお仕事をなさっているのか、簡単にご紹介いただけますか?
安齊: 私どもは、三菱電機グループ社員を中心に健康サポートを主目的として、特定保健指導(※1)と栄養・運動教室等を行っています。  私自身は平成13年に入社しました。それまでは総合病院に勤務しておりまして、糖尿病・ICU(※2)・在宅の患者様に対する栄養管理を行っていました。

石村: 会社に入られた当初はまだ特定保健指導というのはなかったと思うのですが、どのようなお仕事をなさっていたんですか?
安齊: 弊社は三菱電機グループ社員の食事提供も行っているのですが、私は入社当初、この食事提供を担当するフードサービス部門に所属していました。1日約1万食におよぶ昼食の日々の献立作成や食事提供に対する作業管理などを行いながら、食事を通して健康情報の発信と生活習慣病の方への栄養指導を行っていました。

石村: 三菱電機グループでは特定保健指導ということが言われる前からそういったところに取り組まれていたんですね。
安齊: そうですね。三菱電機グループでは平成14年に「三菱電機グループヘルスプラン21」(※3)をかかげ、社員の健康増進に取り組んできました。

石村: そうしますと、特定保健指導が始まった時もわりとスムーズにスタートしたという感じですか?
安齊: 特定保健指導は、会社や社員への実施義務はなく、健康保険組合への義務化であったため、うまく軌道にのせることが難しい会社もあったと思います。そんな中で、三菱電機グループは「三菱電機グループヘルスプラン21」において、会社・労働組合・健康保険組合での健康増進への取り組みの基本があったので、平成20年からの特定保健指導に対してスムーズに取り組めたと思います。

石村:実際、現在の指導の実施状況はいかがですか?
安齊: 特定保健指導を受けた後、服薬も含めて特定保健指導対象外となる方は約30%います。けれども、翌年の対象者数の増減の変化はさほどありません。これは、新たに40歳になった対象者が加わることと、保健指導を受けて1度は対象外となったものの、再度指導対象者として戻ってくるケースがあるためです。

石村: ということは、全体像としては減って行くというより、1年間はがんばるけれど、やっぱりまたもう一度同じような生活習慣に戻ってしまうということですね。
安齊: 保健指導期間中は意識して生活改善に取り組むものの、これまで定期的にあった保健指導支援がなくなると、自身による健康管理となります。そうすると、自身の健康管理より仕事や家族等に対する優先度が上回ってしまうことも考えられますし、対象者から外れた安心感から、改善前の生活習慣に戻ってしまうということも要因ではないかと考えています。

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石村:そういう意味ではやはり特定保健指導の動機付け支援や積極的支援は、効果があるということですよね。
安齊: そうですね。動機付け支援については初回面談後、6ヵ月間はメール等による支援となりますが、メールのやりとりだけでも自分の健康を振り返る機会となっているのではないでしょうか。「最近の取り組み状況はいかがですか」といった支援メールを送ると「取り組みは順調です」、「取り組んでいますがなかなか効果がでません」などの返信メールを頂きます。そして、返信頂いたメールの内容から目標に対しての取り組みや気持ちの変化等を確認しながらアドバイスを返信しています。これらのやりとりが、対象者様が自身の健康を振り返り、見直す良い機会となっているようです。

石村:本当にちょっとしたことでも、十分効果が出るということなんですね。

第2章「伴走者をICTがフォロー」へ続く


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